大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ネ)2438号 判決

訴外会社が昭和三十一年四月二十一日被控訴人に対し前記七十万円の貸金残債権を譲渡したことは成立に争のない甲第八号証に徴して明瞭である。

控訴人らはこの点に関し、被控訴人は右債権の譲受当時訴外会社の取締役であつたに拘らずこれについて訴外会社の取締役会の承認を受けていないから、その譲受は無効であると主張するから考えて見るに、被控訴人が当時訴外会社の取締役であつたことは当事者間に争がなく、そして、右譲受について被控訴人がその当時訴外会社の取締役会の承認を受けたことを肯定するに足りる証拠はないが、「この種の承認は必ずしも事前に限らず事後になされることも妨げないのであつて、事後になされたときは、その目的たる法律行為は初めから有効となるものと解するのが相当である」。ところで、当審における被控訴人本人尋問の結果によつて真正に成立したことが認められる甲第十一号証によると、訴外会社は昭和三十四年二月十三日取締役会を開催し前記債権譲渡を承認したことが認められるから、同譲渡は初めから有効となるに至つたものというべきである。

(岡咲 田中 土井)

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